前回のPC高速化に続きITネタが続きますが、先日自宅にNAS(ナス)を導入しました。
NASとはNetwork Attached Storage(ネットワークアタッチトストレージ) の略で、ネットワーク(LAN)経由で使えるハードディスクです。
外付けハードディスクがUSB(有線)接続でパソコンと1対1で使用するのに対して、NASは同一ネットワーク上にある機器であれば、有線、無線問わずLAN経由でPCやスマホなどから接続する事が出来ます。
それなりの規模の会社であれば、共有のファイルサーバーなどがあると思いますが、あれと同じような使い方が出来るのです。
自宅にパソコンが一台しかない我が家に、なぜこんな大層なものを導入したのかと言うと、主な目的は写真データの管理の為です。
デジタル一眼レフを持っている人なら必ず悩むのが、写真データの管理とバックアップ方法だと思います。
画像データ1つ1つの容量が非常に大きな一眼レフのデータをパソコンの中に入れておくと、ハードディスクの容量を圧迫してしまうだけではなく、万が一パソコンが起動出来なくなったりすると全ての写真が失われてしまう恐れもがあります。
また、パソコンの買い替えの際に、毎回データの移行で苦労したりするものです。
これまでも外付けのハードディスクを利用して定期的にバックアップは取ってはいたのですが、常時接続していない外付けハードディスクだと、バックアップも忘れがちになったり、写真を見たい時にもすぐに見ることが出来ません。
古いパソコンのデータなんかは、バックアップを取った後は、外付けハードディスクの中だけにある、お蔵入りデータになってしまう事もあります。
バックアップさえ取れていればデータが失われるリスクは低くなるのですが、写真は撮るのが目的ではなく見る為のものなので、これではあまりにももったいないです。
大切な家族の写真はしっかりと管理して、またいつでも気軽に見たいと思うのです。
そこで前から気になっていたNASの導入に踏み切ることにしたのです。
(ここからはパソコン=PC、ハードディスク=HDDで記載していきます)
買うと決めたらさっそくNASの調査です。
まずNASには最初からHDDが内蔵されているものと、筐体だけ買ってHDDは別売りとなるNASキットの二種類があります。
最初は国内メーカーで有名どころのBUFFALO(バッファロー)かI-O DATE(アイ・オー・データ)あたりのHDD内蔵モデルを探していたのですが、世界的にはSynology(シノロジー)とQNAP(キューナップ)と言う会社がNASのメーカーとしては有名なようです。
そこで今回は、最初の一台目のNASとして人気の高い、Synology(シノロジー)と言うメーカーのDiskStation DS220jと言うモデルを購入しました。
海外メーカではありますが、詳しい日本語のマニュアルも付いていて、設定などでも迷うことはありませんでした。
DiskStation DS220jはHDD別売りのNASキットになります。
内蔵モデルの方がすぐに使えて簡単そうですが、将来的にHDD容量の増設や故障時の交換なども見越して、それらの作業が容易に行えるNASキットを選ぶ事にしたのです。
こちらのモデルはHDDが2つ取付られるタイプの為、2つのHDDに全く同じデータを保存するミラーリング(RAID1)と言う保存方法を選ぶ事で、万が一片方のHDDが故障してもデータの消失を防ぐ事が出来ます。
またこちらのモデルを選んだ決め手としては、このNAS専用に用意された様々なアプリを無料で使うことが出来るからです。
今回はこちらのDiskStation DS220jと2TBのHDDを2つ購入しました。
HDDはSEAGATE社のNAS専用モデルである、IronWolfを選びました。
ミラーリングの設定にする予定なので、使用できる容量は実質2TBになります。
HDDの取付や初期設定などもマニュアルに従って進めることで、問題なく完了することが出来ました。
全ての設定を終えると、PCからもしっかりと認識できて接続も問題なさそうなので、さっそく写真データのバックアップに取り掛かりました。
Synology Drive Clientで常に自動バックアップ
NASを導入してもしっかりとバックアップを取らなければ意味がありません。
しかし毎回手動でファイルをコピーするのも面倒です。
そんな時は専用のアプリ、『Synology Drive Client』を使う事で、PC内の指定したフォルダの中身を、NASの所定のフォルダにスケジュール機能などを利用して自動でバックアップ出来るのです。面倒なコマンドなども一切使用せずに設定が出来るので、初心者でも簡単です。
今回は指定したフォルダにファイルが追加されたタイミングでバックアップを実行と言う設定にしてみました。
カメラを接続した時に保存先として指定しているフォルダを登録しておけば、カメラからの写真の取り込みと、NASへのバックアップがワンステップで行えます。
これでうっかりバックアップを忘れるなんて事も無くなります。
スマホの写真も一括管理
NASを導入したのは一眼レフで撮った写真データの管理が主な目的だったのですが、スマホの写真管理でもとても役に立ちます。
スマホ専用のアプリ『SynologyPhotos』をスマホにインストールして、一度NASに接続しておけばスマホに撮った写真も自動でバックアップしてくれて、外出先から閲覧する事が可能なのです。
共有フォルダを作っておけば、家族の写真を一カ所に保存してみんなで閲覧も出来ます。
外出先からも見れるので、バックアップさえ取ってしまえばスマホの中にデータを残しておく必要が無くなり、スマホの容量を圧迫する事もありません。
これ何が凄いっかって言うと、今後スマホを買い替える時は、その欲しい機種の中でも一番容量の少ないモデル=一番安いモデルを買えば良いのです。
iPhoneやGooglePixelなどのハイエンドモデルになると、写真が非常に綺麗な代わりに画像データの容量も大きくなりがちで、容量の大きな機種が欲しくなりますが、NASさえあればそんな心配も不要です。
長い目で見ると、NASの導入費用などすぐに元が取れそうです。
家にある古いスマホ全てにこのアプリを入れて、全てのデータを取り出す事が出来ました。
写真や動画のデータがあるので、使わないのにずっと取っておいたのですが、これで処分できそうです。
その他にも、『DS File』と言うアプリをスマホにインストールしておけば、スマホで撮った写真だけでなく、NASに入っているファイル全てにアクセスする事が出来ます。
過去に撮った一眼レフなどのデータが、外出先からスマホで閲覧したり、もちろんダウンロードも出来るので、その場で人に送ったりも出来ます。
今のようにブログの記事を書く時も、これまではスマホのデータを投稿する場合、スマホとPCをケーブルで繋いで、画面ロック解除して該当のファイルを探してコピーしてと、かなり手間が掛ったのですが、現在はすべてNASに自動保存されているのでそこから取り出すだけです。
バックアップ目的で買ったNASでしたが、実際に使ってみると非常に使い勝手が良くてもう手放せません。
これまでも保険としてクラウドのストレージ(AmazonPhoto)にバックアップは取っており、写真はプライム会員なら容量無制限で保存が出来たのですが、動画は5GBまでの制限があり全ての動画はバックアップ出来ない状態でした。
それに今は無料でもクラウドのストレージだけに頼ってしまうと、いずれ有料になってしまった場合も延々と加入し続けなければならなくなります。
これまで抱えていた写真や動画データの保管問題が、NASを導入したことにより全て解決しました。
NASの導入は自前の大容量クラウドストレージを手に入れたようなものなので、もっと早く買えば良かったです。