2012年に購入し、長年愛用しているアークテリクス(ARC'TERYX)の登山用ジャケットが、いよいよ寿命を迎えたようで、シームテープの劣化が始まり、所々生地が剥離してきました。
12年も前に買ったとは自分でもビックリです。
通常衣類は針と糸で生地と生地を縫い合わせているのですが、アウトドア用のジャケットは針や糸で空けた穴からの水の侵入を防ぐために、生地同士を接着剤で貼り合わせています。
その為どんなに丁寧に扱っていても、その接着剤が経年劣化で剝がれてしまう宿命にあるのです。
少し前から劣化には気づいていましたが、少々の剥離は気にせず、騙しだまし着ていたのですが最終的にはこんなひどい状態になってしまいました。
12年使用後の劣化状態
フード部分
サイドの折り返し部分の圧着が剝がれてしまっています。
袖のベンチレーション部分
ジッパーの取り付け部が完全に剥がれてしまっています。
このジャケットは内部の蒸れを防ぐため、脇の部分から肘ぐらいまでジッパーで大きく開くようになっていて、暑い時期にはとても重宝するベンチレーションなのですが、圧着的にはここが弱点になってしまうようです。
それ以外にもジッパー部の防水シールが劣化したりと、結構ひどい状態でした。
シームテープで補修に挑戦
普通ならこんなひどい状態であれは廃棄も考える所ですが、生地自体はまだ劣化もなくとてもきれいな状態なので、市販のシームテープを購入して補修に挑戦してみる事にしました。
購入したのはこちらのシームテープで、アイロンの熱で接着剤を溶かして圧着するタイプのようです。
使い方は簡単。
このシームテープを使いたい長さにカットして、補修したい箇所に置きあて布をしながらアイロンで押さえるだけです。
ワイシャツのアイロンがけをやったことがある方なら何の問題もなく作業できると思います。
ポイントとしては、カットしたテープの端部を丸くカットしておくと、剝がれにくくなるようです。
こちらが補修後の写真です。
フード部分の生地の剥がれもしっかりとテープで補修しました。
反対側もご覧の通り。
さらに一番気になっていた、袖のジッパー部分もジッパーの両サイドをシームテープでしっかりと圧着して元通りになりました。
シームテープもグレー色を選択したことで、最初からこの仕様だったんじゃないかと思うほど違和感なく馴染んでいます。
表側を見ると、あんなに避けていたとは思えないぐらい綺麗になりました。
嬉しい誤算として、ジッパー部分に施された防水のシールも、一度熱を加えることでかつての艶を取り戻しました。
これならまだまだ着れそうです。
このジャケット、過去記事にも書きましたが、5年前にも圧着部の剥がれが発生し、その時は保証の範囲内だったので、なんとアークテリクスの本国カナダまでジャケットを送って修理してもらった事もあります。
購入当時、確か7~8万円ぐらいで衣類の域を超えたお値段にも関わらず、店員さんからの「これさえあれば、中に着込めばエベレストだって登れますよ」の一言にのせられて思い切って購入したこのジャケットですが、保証もしっかりしていて結果的に12年以上も使用しているのでとても良いお買い物だったと思います。(エベレストに登る予定は当時から全く無いですが)
今、アークテリクスで同グレードのジャケットを買おうとすると、約12万円以上もするようなので、すでに購入してから12年が経過していますが、これからも15年、20年と補修をしながら大事に使って行きたいと思います。