下山
11:00
登って来た時の苦労を考えると、とても名残惜しいですが、そろそろ下山します。
富士山は登山道と下山道でコースが別れている為、間違えないように進みます。
登山道は溶岩で出来た岩場を登るのですが、下山道は砂地の斜面をひたすら下って行きます。
たまに間違って、登山道を下って来ている人もいましたが、登ってくる人にとっては、非常に邪魔だし、足場も悪いので本人もきっと歩きづらいはず。
下調べをしてこないと、知らない為にツライ思いをする事もあるかも知れません。
でも入口さえ間違えなければ、あとは看板の案内が至る所にあるので、まず迷う事はありません。
途中は所々雲が掛かっている所もあり、視界が悪かったです。
でも標高が下がると、気温も高くなっていくので、雲の中のヒンヤリ感が丁度いいぐらいでした。
途中には雪の壁のような所もありました。
八合目 下江戸屋
11:30
歩き始めて30分で、下江戸屋(標高3,270m)に到着。
わずか30分で、500mほど下ってきました。
下りのコースタイムが3時間程度なのも、なんとなく納得。
下山の時に注意が必要なのはここぐらいで、あとは道なりに下るだけ。
多少視界が悪くても、小屋が目印となるので、まず迷う事はありません。
ここからさらにジグザグの下山道を進んで行き、
本七合目 見晴館
11:50
昨日泊まった見晴館を通過。
12:15
7合目の大陽館を通過。
ほとんど休まずに下って来たため、この間はほとんど写真無し。
砂走り
そしてこの先からいよいよ、須走口下山道の名物、砂走りが始まります。
この辺りから斜度が少し緩くなるため、ほとんど一直線に下って行きます。
写真を見ても解る通り、天気が良い日が続いた後は、砂埃が凄いです。
ここも事前に調べて砂埃の事を知っていたので、持って来たマスクを装着します。
小石交じりの砂地を、豪快に一気に駆け下りて行きます。
たまに大きな石が隠れているので、うっかり足を乗せると、転びそうになります。
砂地は足首まで沈むぐらい深いため、足首まで覆えるズボンか、スパッツは必須です。
持っていないと確実に靴に小石が入る為、痛そうにして靴を脱いでいる人を何人も見かけました。
この砂走りも一気に駆け下りた為、さすがにヒザきました。
大陽館から時間にして1時間ぐらい下って、ようやく次の小屋の案内を発見。
この間は全く飲み物を買ったり出来ないので、飲み物の残りが少ない場合は、大陽館で買っておいた方が良いかもしれません。
下れば下るほど気温は上がるし、一気に駆け下りると喉も渇くので、水は多めにあった方がいいです。
小屋まであと少しと言う所で、また雲の中に入りました。
この辺りまで来ると、気温も高くなる為、日差しが遮られて快適でした。
砂払い五合目
13:30
約2kmの砂走りで悪戦苦闘して、ようやく砂払い5合目に到着。
ここには吉野屋(標高2,230m)と言う名の売店があります。
須走登山口まではここから30分程度なのですが、さすがにヘトヘトだったので、ここで冷たい飲み物を買い、たっぷり休憩しました。
砂走りで汗と砂埃にまみれて下って来るため、ここまで来るとみんな顔が真っ黒。
そんな顔の汚れが気になる方の為に、ここでは「洗面水」なるものも売っていました。
何でも金取るんですね・・・
ここから先は樹林帯の中を歩きます。
売店から少し下った所で、なんと鹿を発見!
なんだか帰ってきたので、出迎えに来てくれたように思え、少し元気が出ました。
そして最初に歩いた、深い森の中を抜け、
須走五合目到着
案内通り、山頂から3時間ちょっとで到着です。
富士山は人がいっぱいなので、久しぶりに人に会う訳でも無いのですが、5合目の山小屋の方達の、「お帰り!」とか「お疲れ様!」の声がやけに嬉しかったです。
ここでバスの時間を確認すると、次のバスは15時ちょうどとの事。
良く考えると、朝5時の朝食から何も食べていなかったので、登って来るときに立ち寄った、東富士山荘で、富士山カレーなるものを頂きました。
味はレトルトっぽかったけど、この時には何を食べてもご馳走でした。
あっという間に完食して、バスの席を確保する為、早めにバス停に向かいました。
バス停に向かうとき、山小屋のおじさんが「また来年!」と声を掛けてくれたので、元気良く「はい!」って、返事してしまいました。
今回は天気にも恵まれ、怪我をする事なく最高の富士山登山となりました。
行く前には、富士山はとにかく人が多く、山小屋の待遇も悪く、なかなか天気が良い日に当たらないと、悪い噂ばかり聞いていて、正直登りたい山と言うよりも、日本人だから一度ぐらいは登っておくか・・・ぐらいの気持ちでしたが、登って本当に良かったです。
確かに人から言われた通り「一度は絶対登った方がいい!」と思いました。
なんなら、毎年の恒例行事にしたいぐらいです。
今回の教訓。
① 登る時はとにかくゆっくりと。
富士山は傾斜がキツく、空気も薄いのでゆっくり登らないとすぐにバテます。
傾斜がキツいので、ゆっくりでも標高はドンドン稼いで行けます。
② 水分補給はこまめに
反省点としては、トイレ代、水代が高いなぁと、無意識のうちに水分補給を抑えてしまい、熱中症気味になりました・・
水分を取らず体調不良となり下山となったりしたら元も子もないので、次回は、ガブガブ水を飲んで、どんどんトイレに行きたいと思います。
2022年追記
追記)
この初めての富士登山から10年後の2022年。
小学2年生の息子を連れて再び富士山に登って来ました。